贈与税に関する各種特例制度のまとめ

 相続税の基礎控除引き下げによって、相続税の納税義務者の増加が予想される一方、贈与税については、各種特例制度が充実しつつあります。これは、高齢者の保有資産の若年層への早期移転を促し、経済の活性化を図ろうという国の方針の表れでもあります。

 

《結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置》

 この制度は、将来への経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇させる大きな要因の一つになっていることを踏まえ、子や孫の結・出産・育児を後押しする趣旨で今年度の税制改正で創設されました。

 平成31年3月までに、20歳~49歳の子・孫に、金融機関に専用の口座を開設してもらうなど一定の要件を満たして贈与した場合、贈与された子・孫1人につき1,000万円(結婚資金は300万円)までは、贈与された時点では非課税となる制度です。(ただし、使い切る前に贈与した人又はされた人が死亡する、贈与された人が50歳に達するなど「使い残し」があるとその使い残した部分について課税されます)。

 

☆非課税となる結婚・子育て資金(例)

婚礼費用・披露宴の費用・新居への転居費・新居の住居費・出産費用・不妊治療費・産後ケアの費用・小学校入学前の子供の医療費・保育料・ベビーシッター代

 

☆非課税とならない結婚・子育て資金(例)

婚活費用・新婚旅行代・結婚指輪代・家具や家電の購入費・海外での不妊治療や出産費用及びそれにかかる渡航費や宿泊費

 

《教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置》

 平成31年3月までに、29歳までの子・孫に、金融機関に専用の口座を開設してもらうなど一定の要件を満たして贈与した場合、贈与された子・孫1人につき1,500万円までは、贈与された時点では非課税となる制度です。 (ただし、使い切る前に贈与された人が30歳に達するなど「使い残し」があるとその使い残した部分について課税されます)。

☆非課税となる教育資金(例)

①学校などへ直接支払うもの

 入学金・授業料・入園料・保育料・施設設備費・入学(入園)検定料・学用品費・就学旅行費・一定の留学費

②学校など以外に直接支払う場合

 学習塾や水泳、野球などのスポーツ教室、ピアノ、絵画教室などの指導者に直接支払われるもの、および、その活動の道具や施設の使用料で指導者等に直接支払われるもの

 

《直系尊属からの住宅取得等資金の贈与税の非課税措置》

 父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金を、自己の家屋の新築・取得・増改築等の対価に充てるなど一定の要件を満たした場合に、贈与を受けた金額のうち、一定額について贈与税が非課税となる制度です。なお、従来は、贈与年ごとに非課税限度額の上限が異なっていましたが、今回の改正では住宅取得の契約年月で上限額を判断することとなりました。

 なお、平成27年の上限額は、1,000万円(一定の耐震・エコ・バリアフリー住宅については、1,500万円)です。