配偶者が別居中での小規模宅地等の特例の適用

相続税の基礎控除額が引き下げられた今、小規模宅地等の特例(被相続人が住んでいた住宅の土地などの相続税の評価が引き下げられる制度)が適用できるかどうかは死活問題です。今回は、何らかの原因で配偶者・子が別居中で、子が財産を引き継いだ場合に、小規模宅地等の特例が適用できるのか、検討していきます。

 

【質問】

被相続人には、配偶者が存在すしますが、諸般の事情があり、長年別居状態が続いています。ここで、被相続人が生前に一人暮らしをしていた家屋とその敷地を、甲とは別居し別生計の子が相続で取得し、その後もその家屋とその敷地を保有し続ける場合に小規模宅地等特例の適用を受けることができますか。

 

【回答】

被相続人には、別居中ではありますが配偶者が存在しているとしますと、配偶者が優先的な適用者になるため、子が引き継ぐ場合、本件特例の適用を受けることはできません。
 小規模宅地等の特例は、誰でも適用できるものではありません。生前の使用状況や、親族の状況・財産の分配の態様によっては、使用できないという落とし穴がある可能性がありますので、ご注意ください。