附帯税(加算税・延滞税)制度(2/2)

期限内に国税の申告をしない場合や、納付すべき国税が完納されない場合には、原則として、附帯税(加算税・延滞税)が課されてしまいます。具体的にいくらぐらいになるの?という質問も多くいただきますので、これら附帯税の基本的な仕組みを概観していきたいと思います。

なお、利子税、地方税法の加算金および延滞金については、説明を省略します。

 

●過小申告加算税が賦課されない場合

過少申告加算税は、その修正申告に「正当な理由がある場合」、またはその修正申告が「調査による更正を予知してされたものでない場合」には、その部分については賦課されません。ただ、単なる税法の不知や誤解により修正申告をした場合は、「正当な理由がある場合」には該当しません。

その修正申告が「調査による更正を予知してされたものでない場合」とは、その修正申告が税務調査が行われた後にされたものでない場合をいいます。

換言すれば、税務調査が行われる前に、自発的に修正申告をした場合には、原則として、賦課されません。ただし、平成29年1月1日以後に法定確定申告期限等が到来するものからは、調査通知以後にした場合には、5%(または10%)が賦課されます。

 

●無申告加算税が賦課されないまたは軽減される場合

無申告加算税は、期限内申告がなかったことについて「正当な理由がある場合」、または「法定申告期限内に申告する意思があったと認められる場合(法定納期限までに全額が納付され、法定申告期限から1月を経過する日までに自発的に申告されているなど一定の要件を満たす場合に限る)」には、その部分については賦課されません。

また、その期限後申告または修正申告が「調査による決定又は更正を予知してされたものでない場合」には、5%に軽減されます。換言すれば、税務調査が行われる前に、自発的に期限後申告をした場合には、原則として、5%に軽減されます。

ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期限等が到来するものからは、過少申告加算税の場合と同様に、調査通知以後にした場合には、10%(50万円超の部分は15%)が賦課されます。

 

加算税の加重・軽減

その他の「加算税の加重・軽減」措置については、以下があります。

 

①国外財務調書制度における加算税の特例
過少申告加算税および無申告加算税が賦課される一定の場合に、国外財産調書への記載がある部分には軽減措置(5%軽減)が、国外財産調書の不提出・記載不備がある場合加重措置(5%加重)が講じられています。
なお、軽減措置は、所得税および相続税に係るものについて、加重措置は、所得税(死亡した者に係るものを除く)に係るものについて講じられています。

 

②財産債務調書制度における加算税の特例
①と同様の措置が講じられています。

 

③意図的に無申告または仮装・隠ぺいを繰り返す者に対する加算税の加重措置
悪質な行為を防止する観点から、平成29年1月1日以後、過去5年いないに無申告加算税または重加算税を賦課された者が、再び調査を受けて無申告または仮装・隠ぺいに基づく修正申告をした場合には、無申告加算税または重加算税について、加重措置(10%加重)が講じられています。